もう辞めたい…介護職を退職するときに読んでおきたいポイント4つ

介護職は自分の仕事が利用者やその家族の笑顔につながるやりがいのある仕事です。
しかし同時に「離職率が高い」と言われる仕事でもあります。

この記事では

  • 介護職の辞め時
  • 退職する前にもう一度思い出したい介護職のやりがい
  • 今の職場を円満退職するための流れ
  • 転職の際に押さえておきたいこと

など介護職を退職するときに知っておきたいポイントを紹介します。

介護職を辞めたいと思う代表的な4つの理由

介護職を辞めたくなってしまう原因はさまざまです。

まず、「公益財団法人 介護労働安定センター」による介護職の離職原因のデータを見てみましょう。

理由 割合(%)
職場の人間関係に問題があったため 20
結婚・出産・妊娠・育児のため 18.3
法人や施設・事業所の理念や運営のありかたに不満があったため 17.8
他に良い仕事が見つかったため 16.3
自分の将来の見込みが立たなかったため 15.6
給与が少なかったため。 15
新しい資格を取得したため 11.5
その他 10.7
人員整理・勧奨退職・法人解散などのため 7.2
自分に向かない仕事だったため 6
無回答 4.7
家族の介護・看護のため 4.6
病気・高齢のため 4.2
家族の事情や事業所の移転のため 3.8
定年・雇用契約の満丁のため 2.7

上記の調査結果からも、

  • 職場の人間関係が悪い
  • 職場の理念経営方法に不満
  • 給料が仕事量に見合ってない
  • 出産や育児や家族の介護などのライフステージの変化

といった理由の離職率が高いことがわかります。
参考:公益財団法人 介護労働安定センター

代表的な理由を4つ紹介したいと思います。

1.職場の人間関係が悪い

介護業界に限らずですが、職場にはさまざまな人が集まります。

気が合う人ばかりでなく、意見が対立することがあるかもしれません。

そりが合わない人がいても、介護士は夜勤であれば2人きりで作業する機会が多くあります。

部署移動もほとんどないため、気の合わない上司や同僚がいたとしても離れられないこともあるようです。

さらに職場内に派閥がある場合には、険悪な雰囲気を打開する機会がありません。
介護職は毎日同じ利用者・職員と関わるため、ほかの職業に比べると、コミュニティがせまいかもしれません。

そのため人間関係が険悪になりやすい傾向にあり、また男性に比べ女性が多いこともいじめが起きやすい環境の原因と言われています。

2.職場の理念・経営方法に不満

介護職は志を持ってその職に就いた人も多く、それぞれ介護方針や介護に対する理念を持った人が多いです。

「利用者様が気持ちよく生活できるように」という思いが強いほどに、やはり利益も考えなければならない経営側の方法や理念と意見が合わないことがあります。

さまざまな意見を持っているからこそ、職場の理念・経営方法に不満を感じることが多いです。
 

3.給料が仕事量に見合っていない

介護職員の平均年収は340万前後と、他の医療職(看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・ケアマネジャー等)と比べて平均年収が低い傾向があります。

また、賞与が支払われる事業所は全体の62.7%であり半数は賞与なしの労働環境でした。

お金は少なく、夜勤もあり休みも取りにくいとなれば待遇面に関して「給料が仕事量に見合っていない」と感じるのは当たり前のことでしょう。

その上に、介護職は入浴介助やベッドから車いすへの移乗動作などの日常生活動作の介助など肉体的にハードな仕事が多くあります。

ハードな仕事である上に他の職種と比べて年収が低いため、仕事は楽しくてやりがいがあるものの離職してしまう介護職が多いことも現状にあります。

参考:平成29年度 介護労働実態調査結果

4.出産・育児・家族の介護などライフステージの変化

介護職員には女性も多く、出産・育児のために離職してしまう方も多いです。

また40代~60代の介護職員も多く、自らの親も高齢であり介護が必要になることがあります。

そのため、このように出産・育児・家族の介護などのライフステージの変化による離職も多いです。

このように離職率が高いため新人もどんどん増え、新人を育てるためにマンツーマンでの指導が増えるため、自分の業務を行う時間がありません。
また離職率が高く人手不足であるため、40代以降の中高年も増えています。

20代のスタッフが指導に当たることも多く年上の後輩に対する指導は難しく、余計に新人指導が進まないことも多々あり、ベテラン~中堅の介護職の負担は増えるばかりなのが、離職率にも繋がっているようです。

【退職を考える前に】もう1度介護職のやりがいを思い出そう

ここまで、介護職を辞めたいと思う理由を紹介してきました。
介護職の離職理由はさまざまですが、志を持って介護職に就いた人も多いのではないでしょうか。

退職を考える前に、もう一度介護職のやりがいを思い出してみましょう。

1.自分の仕事が利用者やその家族を笑顔にできる

介護職は利用者の日常生活動作の介助を行う事が仕事であり、自ら動くことができない利用者からすると、介護職が介助を手伝ってくれたり話をしてくれたりすることが、楽しみであったり安心する時間であることが多いです。

またその家族も介護に悩み苦しんでいることも多く、介護職との関わりで自分の時間を作ることができ精神的・肉体的ストレスを緩和できます。

介護職は、利用者また利用者の家族から「ありがとう」と感謝され、笑顔を与えることができるとても素晴らしく立派な職種です。

2.多くの「人生の大先輩」と関わることができる

利用者のほとんどが高齢者であり、介護職からしても人生の大先輩です。

高齢者との関わりの中で学ぶことも多くあり、介護の知識の他に人として豊かになる知識を得ることができるでしょう。
そのため介護職としてだけでなく、人としても成長できます。

3.将来家族の介護をする力、人を助ける力が身に付く

介護職員にも家族がいます。
自分が高齢になるにつれて周りの人間も高齢になり、介護が必要となる場合もあるでしょう。

介護職として働いていれば、そのような時どのように介助すればよいか?どのようなサービスを使うことができるか?などの知識を持っているため、いざというときに役立ちます。

4.学歴関係なく働いた経験がキャリアになる

介護職として働くのに学歴は関係ありません
そして常勤・非常勤は選べませんが未経験・無資格でも働く事とが出来ます。

また介護職ではさまざまな疾患(認知症や脳血管障害など)や性格の利用者と関わることで、介護職としての技術・知識を増やすことができるのも魅力。

積んだ実務経験は自らの技術として役立ちキャリアアップに繋がります。

5.資格を取得すれば、努力次第で給料を上げられる

まず、介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士・ケアマネジャー→認定介護福祉士のキャリアアップの方法があります。

これらの過程に学歴は関係なく1から介護職としての地位を築いていくことが可能です。

また、国は2025年に向け介護職の人員不足解消のためさまざまな取り組みを行っており、介護職を介護職員処遇改善加算によりキャリアアップの環境も整っているためキャリアを積むのに優位な環境ともいえます。

それでも辞めたい……「辞め時」5つ

介護職としてのやりがいを思い出してみても、今の職場で仕事を続けることが難しい時、辞める準備を行い自分の生活を確保しましょう。
ここでは、辞める「タイミング」を一度考えてみましょう。

1.生活費3ヶ月分の貯蓄が用意できたとき

職場をやめるということは、あらためて「転職活動」を行う必要があります。
仕事を辞めるまでに次の仕事が決まっていれば給料も安定し生活に困ることはありませんが、そうでない場合は当面の生活費を確保する必要があります。

「失業保険」を申請すれば大丈夫と思いがちですが、3ケ月間の給付制限というものがあり、実際に受け取れるのは申請してから4ヶ月後です。

そのため、就職先が決まっていない場合少なくとも3ケ月分の貯蓄を用意する必要があります。

2.ボーナスの支給後1ヶ月程度あけてから

ボーナスはこれまでの仕事の評価に対しての査定となるので、退職するのであれば査定後に退職の意思を伝えることでボーナスもしっかりもらうことができ、退職後の生活費としてあてることができます。
ボーナス受給日前後に退職の意志を伝えたとして、退職後の引継ぎ業務にその後1ヶ月~2ヶ月は必要でしょう。

そのためボーナスの支給後、1ヶ月程度あけてからが妥当でしょう。

3.職場の組織体制が変わったとき

職場の組織体制が変わるときは、仕事を辞める時の大きなきっかけです。

組織が変更になるときメンバーや上司、仕事内容とさまざまな変化があります。
現場の変化が起こることで、担当業務や人間関係にも区切りが付きやすく辞めやすいタイミングと言えるでしょう。

4.仕事のストレスで心身の健康に悪影響があるとき

仕事のストレスで心身の健康に悪影響があるときが一番辞めるべきときと考えられます。

「しんどい」「もう働けない、仕事に行きたくない」と自分が追い込まれている状態で仕事を続けることは、精神を病む原因となりかねません。

また眠れない、食事が喉を通らないなど生活に支障が出始めている時は早めに対処しましょう。

5.【ブラック職場の特徴】に1つでも当てはまるとき

ブラック職場の特徴としては以下のような内容が挙げられます。

労働基準法にしたがっていない

労働基準法は簡単に言えば、労働者を守る法律です。
たとえば労働時間ですが、原則8時間が通常です。

過度の残業にて1日12~15時間の業務は違法に当たります。

また固定残業代の場合、残業代は支給されずサービス残業の場合もあります。

一度労働基準法に関して調べなおしてみましょう。

認められない医療行為や不正行為の強制

【介護職が行う事が出来ない行為の例】

  1. 爪を切る事
  2. 歯ブラシや綿棒、又は巻き綿子などによる歯、口腔粘膜、舌に付着した汚れの除去
  3. 耳垢の除去
  4. ストマ装着のパウチにたまった排泄物の廃棄
  5. 自己導尿の補助としてのカテーテルの準備、体位の保持
  6. 市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いた浣腸

上記のようなことを強要される場合、違法であり、行ってはいけません。

月に10日以上夜勤がある

厚生労働省では、夜勤の回数の上限というのは労働基準法上で定められているわけではありません。

法定労働時間(週40時間以内)の中に当てはまっていればとくに夜勤回数の制限はされていません月10日以上の夜勤は法定労働時間の点において違法です。

夜勤を宿直として扱う

宿直とは夜間に勤務先に泊まることを前提とした勤務であり、緊急時対応が基本であり睡眠時間が確保されるものです。

また宿直は事業所内の同じような業務者の1日の賃金の3分の1以下に定めなければいけません。

夜勤と宿直とでは、賃金が異なり勤務内容も異なります。

非常勤雇用しかしていない

非常勤雇用は安月給であり、福利厚生も正社員に劣りますしクビにもしやすいです。
そのためブラック企業では常勤と非常勤を区別し、非常勤を使い捨てし常勤からのいじめを受けやすい傾向にもあります。

まずは今の職場を円満退職

長年働いた職場…できれば円満に退職したいと思うでしょう。
ここでは円満に退職するための理想的な流れを紹介します。

1.上司に退職の意思を伝える

はじめに、退職の意思を上司に伝える必要があります。
その退職の意思を伝える時期に関してですが、少なくとも2ヶ月前には伝えるようにしましょう。
その際、就業規則にて退職手続き・条件を確認することが必要です。
また、退職時の有給休暇の残日数の確認と有給休暇の取得に関しても話しておきましょう。

2.退職届けを出す

次に1カ月前には退職届を提出し業務の引継ぎを行っていきましょう。
上司と相談し業務の後任者を決定し引継ぎを行います。
その際は、引継ぎは口頭で行わずに資料を作成するとよいでしょう。

3.仕事探し

退職日が決まったら、転職活動をはじめましょう。
生活を安定させるためにも仕事は必要です。
転職の際は労働条件をしっかり確認しましょう。

4.退職

退職日までに、事業所内でのあいさつや社費で購入したものは返却し、健康保険証など会社から貸与されたものは返却しましょう。

転職先を探すならこの3点をおさえよう

転職は精神的も肉体的にも疲れるもの……。
頑張って退職し転職するのであれば環境の整っている職場に就職したいと思うでしょう。
ここでは介護職の転職時のポイントを紹介します。

1.経営母体は社会福祉法人や医療法人の施設を選ぶ

  
介護職とは限られた空間(同じ利用者・同僚・上司など)での仕事になりやすいです。
そのため経営母体は社会福祉法人医療法人の施設を選びましょう。

母体が大きいと定期的にフロア移動があり閉鎖的な空間になりにくく、また福利厚生も充実しているため職場環境も整っていることが多いです。

2.広域展開している企業は避ける

次に避けたい事業所・企業ですが、とくに小規模の事業所・企業で広域に展開している事業所は一人当たりの業務量が多く、ブラック企業である場合が多いのです。

例え給料が良かったとしても注意が必要と言えるでしょう。

3.介護職員処遇改善加算を付けている事業所を選ぶ

国により介護職員処遇改善加算という制度が設けられています。
これは介護職の離職率を下げ、人手不足を解消する目的で設けられました。

この制度により介護職のスキルアップの環境が整った職場が増えています。
転職活動時の面接では介護職員処遇改善加算について質問してみるのもよいでしょう。

介護職をやめる前に、一度職場の見直しをしてみよう

今回は介護職の退職に関して説明しましたが、どのような職業であれ職場環境の整っていないブラック企業は存在します。

もしそのような職場に就職したとしても、介護職は人員不足であり求人数は多いです。

「がんばらないと」とムリをせず、一度職場を見直し、転職を視野に入れることも一つの手。

介護職はこれから迎える超高齢者社会において受容が高く必要な存在であり、高齢者を支えていくためにもとても大切な仕事です。

精神的身体的に追い込まれる前に家族や友達、身近な人に相談する等、行動に移しましょう。

もう辞めたい…介護職を退職するときに読んでおきたいポイント4つ

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