介護離職の問題点とは?なぜ後悔する?再就職はできる?

親が認知症になった、祖父母の介護がはじまったという声をよく聞くようになりました。
介護の負担で仕事を続けることが難しく、介護離職が増えています。

しかし負担軽減と思った離職後の現実は厳しく、後悔することになりかねません。
国も介護離職をしないよう制度を整えはじめました。

介護離職した後の経済的な負担や孤独感、介護離職ゼロを目指す制度について解説します。

介護離職が増えている原因とは

高齢化が進んでいる日本ですが、核家族化や少子化などにより介護を分担できる身内が少ないという家庭が増えています。

それにより、働きながら介護に携わる人が多くなりました。

このような社会的背景に加えて、介護離職が増えている原因には次のようなものがあります。

介護負担の増加

  • 仕事と介護の両立がうまくいかず、精神的・体力的に負担が増える
  • 施設入所を希望しているが空きがなく、在宅で介護しなければならない
  • 介護サービスに頼ることをためらってしまい、自分だけで頑張ってしまう

職場の理解

  • 休むことが増えると会社に迷惑がかかると思い、言い出せない
  • 時短勤務や休暇制度はあるが、職場での理解が得られず利用できない

経済的な見通し

  • 早期退職優遇制度を利用し、退職金が上乗せされることで安心してしまう
  • 親の年金と蓄えがあれば賄えるという見通しがある

介護離職の本当の問題点

仕事を辞めて介護に専念すれば問題が解決するかといったら、そうではありません。
以下のような問題点が新たに浮上する可能性があります。

介護での孤独感

仕事を辞めると、1日中介護に付きっきりになります。

自由に外出できなくなり、孤独感に悩む人も多いです。

さらに、相談相手がおらず、介護の悩みを1人で抱えてしまうケースもあります。
   

介護が終わった後の再就職は簡単ではない

介護離職しても、再就職すればいいのでは?と考えるかもしれません。

しかし、働き口が少ない地方都市や40代・50代の再就職は難しく、無職のまま老後を迎えることもあります。
そうすると、介護が終わった後の生活費や自らの老後資金が足りなくなってしまいます。

このような理由から、介護離職は社会問題となっており、国も政策を出しています。
次の項目で詳しく説明します。

介護離職しないための対策

国は、「育児・介護休業法」を定め、仕事と介護が両立できるよう支援しています。

今回取り上げる介護休暇制度・介護休業制度は、どちらも労働者の権利として守られており、事業主は申請を拒否することができません。

申請したことによる解雇や不利益な扱いも禁止されています。

この制度は、正社員でなくても条件を満たしていればパートやアルバイトでも申請可能なので、多くの人が利用できます。
制度の内容やポイントを、以下にまとめました。

介護休暇制度

介護休暇制度は、介護を受ける対象者1人につき年間最大5日まで休みがとれる制度です。
対象者が2人の場合は、最大10日間休めます。
介護を受ける対象者とは、2週間以上にわたり介護が必要な状態にある者のことを指します。

申請できる労働者は、入社後6ヶ月以上経過しており、日々雇用でない者と定められています。
ただし、労使協定により対象外にできる労働者など、例外もあるので注意しましょう。

申請方法は、事業所が定めた申請書を提出する、もしくは口頭での申請も可能です。
期日がないので、休暇をとりたい当日でも申請できます。

賃金の支払いについて、法的な義務はありません。
なかには、有給休暇として処理する職場もあります。

このような特徴から、介護保険の申請やサービス担当者会議など、1日や半日だけ休みたいときに便利です。

介護休業制度

介護休業制度は、介護を受ける対象者1人につき3回、通算93日まで休みがとれる制度です。
介護休暇制度と同じく、2週間以上介護が必要な人が対象となっています。

申請できる労働者は、入社後1年以上経過していることや日々雇用でないことなど決まりがあります。

申請方法は、休業開始予定日の2週間前までに事業主へ申し出ます。

休暇中の賃金は、介護休業給付金制度を利用できます。

事業主が公共職業安定所に支給申請書と雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書をあわせて提出することで申請できます。

申請期限は休業終了日翌日から2ヶ月が経過する日の月末までです。
支給額は、休業開始時の賃金日額×支給日数×67%です。

これらの特徴から、短期集中で入居施設を探したいときやターミナルケアなどに利用に役立ちます。

育児・介護休業法にある措置や制限

上記2つの制度以外にも、次のような制限や措置がなされています。
状況に合わせて上手に活用すると、介護の負担をさらに減らすことができます。

  • 所定労働時間の短縮
  • 所定外労働の制限
  • 法定時間外労働の制限
  • 深夜業の制限
  • 転勤に対する配慮
  • 不利益扱いの禁止
  • 介護休業法に関するハラスメント防止措置

 

介護保険サービスの活用

介護の負担を減らす方法として、介護保険サービスを活用することも重要です。
しかしすぐに利用できるわけではなく、介護認定を受ける必要があります。

介護認定は、申請から結果が送付されるまで30日程度かかります。
そのため、早めに申請することがポイントです。

いざという時のために、相談窓口を把握しておくと慌てずにすみます。

介護が終わった後に後悔しないために

介護がスタートすると、仕事と両立できるのか不安に思う人が多くいます。
介護は終わりが見えないので、どのくらいの期間介護が必要か、どのくらいの費用がかかるのか分かりません。

目先の介護費用だけでなく、ご自身の老後の生活費も含めて長い目で考え、介護離職するべきかどうか考える必要があります。

介護や仕事の状況に合わせて制度を活用し、仕事を続けながら介護する方法を模索しましょう。

介護離職の問題点とは?なぜ後悔する?再就職はできる?

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