ケアマネージャー(介護支援専門員)の仕事内容とは?平均給料は?

ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護保険を利用したサービスのマネジメントや調整役を担います。

要介護認定を受けた利用者は、ケアマネージャーの作成するケアプランがないとサービスが利用できません。

そのため、介護保険を利用するためには、ケアマネージャーは必要不可欠な存在です。

スキルアップにふさわしいケアマネージャーの資格の取得方法や仕事内容、気になる年収についてご紹介します。

ケアマネージャーになるのは難しい?

ケアマネージャーの合格率は50%を下回っており、近年の合格率は15%から20%くらいです。

平成30年に受験資格が変更したため、平成29年に駆け込み受験する人が増えました。
そのため、平成29年度の合格率は21.5%に上昇しました。
しかし、平成30年度の合格率は10.1%と過去最低値を示しています。

簡単に取得できる資格ではありませんが、きちんと対策をすれば合格は可能です。
スキルアップにふさわしい資格だと言えるでしょう。
その理由や試験、仕事内容、研修などについて紹介します。

参照:第21回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について – (1)

ケアマネージャーの受験資格や試験、研修内容

ケアマネージャーの受験資格や試験、研修内容について説明します。

ケアマネージャーの受験資格

平成30年度より、受験資格が変更しました。
介護等業務で実務経験を満たせば受験資格が得られていましたが、廃止になりました。
介護支援専門員のレベルアップを図るのが目的です。

現在の受験資格を説明しましょう。

  1. 国家資格等に基づく業務
    保健・医療・福祉などの資格に基づいた業務に通算5年以上従事した経験が必要です。
    該当する資格は以下のとおりです。医師、歯科医師、薬剤師
    保健師、助産師、看護師、准看護師
    理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士
    視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士
    あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師
    柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、精神保健福祉士
  2. 生活相談員
    (地域密着型)介護老人福祉施設・(地域密着型)特定施設入居者生活介護(介護予防を含む)において、相談援助業務に通算5年以上従事した経験が必要です。
  3. 支援相談員
    介護老人保健施設における相談援助業務に通算5年以上従事した経験が必要です。
  4. 相談支援専門員
    計画相談支援や障害児相談支援における相談援助業務に通算5年以上従事した経験が必要です。
  5. 主任相談支援員
    生活困窮者自立支援法に規定する事業に通算5年以上従事した経験が必要です。

参照:介護支援専門員実務研修受講試験の実施について」の一部改正について

ケアマネージャーの試験

ケアマネージャーの試験は、介護保険法に基づき、都道府県で開催されます。
試験内容はケアマネージャーの業務に関する基礎的な知識や技術の確認です。
試験の概要をまとめました。

  1. 試験日
    毎年1回、通常10月に実施。
  2. 申込受付期間
    5月~6月頃(都道府県による)
  3. 合格発表
    12月頃
  4. 試験時間
    120分
  5. 試験の詳細
    問題は60問 1問1点
    「介護支援分野」総得点25点
    「保健医療福祉サービス分野」総得点35点
    各分野で正答率70%を合格基準とするが、実施される年によって変動あり
    マークシートにより、5つの選択肢から、適切なものを複数選ぶ方式

ケアマネージャーの試験合格後の研修

試験に合格すれば、すぐにケアマネージャーになれるわけではありません。
実務研修を受けて、都道府県に登録する必要があります。

実務研修の研修期間は全国共通で87時間です。
研修のスケジュールや受講料は都道府県によって異なります。
ちなみに2018年の東京都の場合、実施時期は9月頃、受講料は52,800円でした。

申込期間が短く、募集定員がすぐに埋まることも考えられます。
早めに申し込むようにしましょう。

また、介護支援専門証の有効期間は5年です。
業務を継続して行うためには、更新研修を受けねばなりません。

介護支援専門員証の交付を受けていても実務経験がない場合は、54時間の更新研修が必要です。

登録のみで介護支援専門員証の交付を受けていない場合は、54時間の再研修が追加されます。
実務経験者は代わりに専門研修を受講して更新研修とすることも可能です。

参照:1.実務研修受講試験からの流れ

介護のスペシャリスト! ケアマネージャーの仕事内容

ケアマネージャーは、介護保険サービスが受けられるようケアプラン作成やサービス調整を行う介護のスペシャリストです。

高齢者の疾患や介護保険制度、サービス内容などの幅広い知識や技術が必要です。
主な仕事内容を紹介しましょう。

ケアマネジメント業務、給付管理

  1. 要介護認定業務
    市町村からの委託を受け、高齢者の心身状態を把握する「認定調査」を行います。
    要介護度を定める基本となる重要な調査です。
    更新申請に関する書類作成なども行います。
  2. ケアプランの作成・管理
    課題分析(アセスメント)を行う

    目標を設定しケアプラン(介護サービスのスケジュール表のようなもの)の原案を作成
    サービス担当者会議を経てプランを決定する

    目標の達成状況を、定期的に訪問しモニタリングする
    ・モニタリングは毎月必要
    要支援のみ自宅訪問は3か月に1回で可(他は電話や訪問でも可)

    プランが適切だったかを評価
    必要なら再アセスメントし見直しを行う
  3. 給付管理業務
    支給限度額を確認し、利用者負担額を計算します。
    毎月1回サービス利用表や給付管理票を作成し、国民健康保険団体連合会に提出します。
    事業所によっては事務員が行う場合もありますが、そうでない場合は、事務作業が多い可能性があるでしょう。

サービス利用の連絡・調整、会議

利用者のニーズに合った介護サービスを選択し、サービス導入に向けて、各介護サービス事業所との連絡、調整を行います。
利用開始後の要望やクレームにも対応し、利用者が言いづらいことを代弁して調整役を務めることもあります。

また、介護支援専門員は、さまざまな会議に出席しなければなりません
代表的なものがサービス担当者会議です。

はじめてのケアプランの実施や、ケアプランの変更などの際、必ず行われる会議です。
利用者や家族、介護者、専門職などが集まり、プランを検討し調整を行います。

退院後にサービスを導入する場合は、病院で行われる退院支援会議に参加します。
地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域ケア会議などに居宅支援事業所の代表として参加することもあります。

訪問業務、相談業務、記録整理業務

アセスメントやモニタリングを行うためには自宅訪問が必要です。
トラブルや悩みなどの相談を受けることも多いでしょう。
記録や整理などの業務に追われ、事務仕事をしながら電話相談を受けることも少なくありません。

このようにケアマネージャーの仕事は多忙を極めます。
利用者からの「訪問回数が少ない」などというクレームに困惑するケースもあるようです。

やるべきこととそうでないこと、できることとできないこととの狭間で悩みを抱えているケアマネージャーが多いのが現状です。

ケアマネジメント業務の枠に収まらない仕事内容

ケアマネジメント業務の枠に収まらない仕事もこなさねばなりません。
いくつか例を挙げてみましょう。

虐待の恐れがあれば、地域包括支援センターへ通報する義務があります。
生活困窮者に対して、生活保護の申請を調整することもあります。
食事に困っているのであれば、配食サービスを紹介することもあるでしょう。

あらゆる場面の複雑な問題に対応するするのが、ケアマネージャーなのです。

あなたは当てはまる? ケアマネージャーに向いている人は?

ケアマネージャーに向いている人の条件を上げてみました。
ケアマネージャー志望の人はいくつ当てはまるかチェックしてみましょう。

向いている性格

  • 利用者の話をよく聞ける
    ケアマネージャーには利用者の話をよく聞いて、不満や悩みを引き出す能力が求められます。
    真剣に話を聞いてもらえるだけで精神的に安定する利用者もいるでしょう。
  • オンオフで切り替えられる
    利用者は高齢者であり、関わる中で最期を迎える人もいます。
    仕事でのネガティブな感情を引きずれば、自分自身が精神的に参ってしまいます。
    気持ちを切り替えて現状に集中する能力が必要です。
  • 決められた期限にきちんと書類を提出できる
    期限を守れなければ多くの人に迷惑をかけ混乱を招きます。
    ケアマネージャーにとって特に重要な信頼も失ってしまうでしょう。
  • 効率よくスケジュールを組める
    1人で30〜40名受け持つこともあります。
    要介護1以上の利用者が対象であり、モニタリングで訪問する回数も多くなります。
    効率よく訪問のスケジュールを立てないと残業ばかり増えてしまいます。
  • 報告連絡相談がきちんとできる
    ケアマネージャーは、多くの人や部署と関わる仕事です。
    利用者の命に係わる事態も少なくないでしょう。
    正確かつ迅速な対応が求められます。
  • 向上心がある
    幅広い知識、特に制度に関する知識が必要です。
    フットワークの軽さや、人脈の広さ、経験を重ねた上での臨機応変な対応なども求められます。
    向上心がなければ、できない仕事だと言えるでしょう。

車の免許はあった方がベスト

ケアプラン作成やモニタリングにおいて、利用者宅を訪問する機会が頻繁にあります。
会議に出席する機会も多く、公共の交通機関での移動は、なにかと不便です。
できれば、運転免許があった方がベストでしょう。

今よりも給料アップ? 気になる年収は?

平均年収は394万円です。

所属する事業所別に比較してみましょう。

  1. 施設ケアマネージャーの場合
    介護老人保健施設  360万円
    介護療養型医療施設 365万円
    特別養護老人ホーム 370万円
  2. 居宅介護支援事業所 380万円

平均給料は以下のようになります。

  1. 施設ケアマネージャーの場合

    介護老人保健施設  22.5万円
    介護療養型医療施設 22.8万円
    特別養護老人ホーム 23.1万円

  2. 居宅介護支援事業所 23.8万円

※ボーナスは4か月分で計算しています。

参照:ケアマネージャー(ケアマネ)の年収給料や20~65歳の年齢別・役職別・都道府県別年収推移|平均年収.jp

ケアマネージャーで介護のプロになろう!

責任が重く、ハードな業務です。
しかし、力量次第で利用者に喜びと満足を与えられる、やりがいのある仕事でもあります。

介護のプロを目指すなら、必ず取得したい資格ですね。
やる気のある人は、ぜひチャレンジしてみましょう。

ケアマネージャー(介護支援専門員)の仕事内容とは?平均給料は?

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