介護付き有料老人ホームはどんな施設?特徴と費用、サービス内容とは?

老人ホームは入居者の方がこれからの長い人生を過ごす大切な場所です。
しかし、世の中に老人ホームや介護施設の種類は多く存在していて、結局どれを選べばよいのか迷ってしまう方が多くいます。

今回の記事では有料老人ホームの中でも介護が必要な方が多く入居する「介護付き有料老人ホーム」について詳しく解説していきます。

この「介護付き有料老人ホーム」の中でも、施設ごとに費用や行われているサービス、設備が大きく異なります。

介護付き有料老人ホームとは

有料老人ホームとは、利用者の生活をより快適にするためのサービスを提供している施設です。

介護付き、住宅型、健康型と種類があります。
その中でも介護面に特化しているものが介護付き有料老人ホームです。

施設によって体制が異なる

有料老人ホームは主に民間で運営されています。
そのため、施設によって取り組んでいるサービス内容や設備が大きく異なり、それに伴って費用も増減します。

また、介護付き有料老人ホームは人員、設備、運営内容について都道府県から認可を受けることによって設立されています。

その認可の基準を満たしていれば行うサービスは自由です。
トレーニングジムやカラオケなどの設備を取り入れたり、介護サービスを充実させたりする事で、他の有料老人ホームと差別化をはかっています。

施設数が多いため選択の幅が広い

有料老人ホームの施設数は2016年の時点で10,783の施設数があります。
これは他の老人ホームや介護施設と比べるとはるかに多い数値です。

施設が多いと選択の幅も広がるため、立地や設備など、利用者に合った施設を選ぶことができます。

参考:厚生労働省

長く住み続けることができる

サービス付き高齢者向け住宅やグループホームなどでは、介護の重度が重くなると退居をしなければならない場合があります。

それに比べ、介護付き有料老人ホームは主に介護が必要な方を対象としているため、介護の重度が重くなっても住み続けることが可能です。

しかし、病状が悪化して、より専門的な医療体制が必要とされた際には、退居が必要な場合もあります。

施設によっては看取りの対応をしている施設もあるため、利用者が長く生活できる場としては有料老人ホームが適しているといえます。

介護サービスが充実している

介護付き有料老人ホームは都道府県または市町村からの認可のもと運営されています。

その認可を得ているため、介護サービスは以下のように充実しています。

食事

食事の際には、調理から食事中の介助まで行います。

食事のメニューは栄養バランスの取れたものを選択します。
食事中の介助では姿勢を整えること、食事の飲み込みの確認を行う事で利用者の安全を確保します。

また、噛む機能が低下している利用者の方にはきざみ食や軟菜食(ソフト食)といったものをメニューに取り入れます。

家事

家事では利用者の身の回りの掃除や洗濯を行います。

洗濯の場合は利用者の衣類の判別がつくように色ごとにハンガーをわけることや、ラベルを張ることで見分けます。

掃除の際には置いてあったものは元の位置に戻すなど、その利用者の生活習慣を考えた方法で行っています。

健康管理

健康管理のために利用者が住みやすい環境を整備しています。

利用者の体内時計を狂わすことが無いようにリビングの照明の調整を行う事や、施設内の湿度や温度を管理しています。

24時間介護士が常駐している

介護付き有料老人ホームでは24時間介護士が常駐しているため、利用者の身に何かあった場合も素早く対応をすることが可能です。

また、施設によっては看護師が24時間常駐していることもあります。

レクリエーションの実施

介護付き有料老人ホームでは利用者の介護だけではなく、利用者がより充実した楽しい生活環境を送れるようにレクリエーションを実施しています。

小さな子供と触れ合う機会を設けたり、縁日の実施をしたりと施設によって内容は様々です。

入居する前に、その施設では利用者が楽しむためにどのような取り組みが行われているかチェックをすることをおすすめします。

介護付き有料老人ホームの入居条件は?

老人ホームには多くの種類がありますが、その中で介護付き有料老人ホームの入居条件はどのようになっているのでしょうか。

入居の条件としては、

  • 年齢
  • 利用者の要介護度
  • 保証人
  • 支払い能力

このような内容をもとに入居ができるのかを審査します。

65歳以上が対象

介護保険法では65歳以上の方が対象となっているため、老人ホームも65歳以上の方が入居することが可能です。

また、特定疾病が認められている場合は40歳以上の方も入居することが可能です。

自立している方から要介護5まで幅広く入居できる

介護付き有料老人ホームには自立している方から、要介護5の方まで幅広く入居できます。

介護サービスの必要度はコンピュータによる1次審査を行い、それをもとに保健医療福祉による2次審査が行われます。
これによって利用者の介護の度合いを測ります。

また、介護付き有料老人ホームでは、入居中に介護の重度が上がってもそのまま住み続けることができます
何かあった場合でも退居する必要がないため、安心して暮らせる環境が整備されていると言えます。

保証人または身元引受人が必要

介護付き有料老人ホームへの入居の際には、利用者の保証人または身元引受人が必要となります。
保証人・身元引受人には、緊急時の連絡や費用の債務処理などといった義務があります。

もしも、利用者が3カ月以上の滞納をした場合には保証人・身元引受人へ退居の勧告が行われます。

また、利用者が単身者であった場合は保証代行サービスを利用する必要があります。
保証代行サービスは民間またはNPO法人で運営されています。

入居者の健康状態

施設へ入居する際に、利用者が病気を抱えていた場合、その施設で対応できる治療か判別する必要があります。

対応できる場合はそのまま入居が可能ですが、対応できない病状であれば他施設への入居が指示されます。
入居後に安心して暮らすためにも、利用者と施設側の照らし合わせは重要なのです。

支払い能力はあるか

利用者の支払い能力を見るために、現在の収入や資産状況を確認・審査します。
利用者の入居中に、費用が払えなかった場合、施設側も「料金が払えていないので出ていってください」とは簡単には言えません。

そのようなことが無いように、利用者の資産状況に見合った施設選びが大切になるのです。

介護付き有料老人ホームの種類

有料老人ホームの中で「介護付き」と位置付けられていますが、介護付き有料老人ホームの中でも3種類に分けられています。

この種別は基本的に利用者の介護度合いで分けられています。

自立型

自立型は介護認定を取得されていない方を対象とし、基本的に身の回りのことを自分でできる方が多くいます。

自立型の老人ホームで生活をしている際に介護が必要になった場合、退居をしなければならないこともあります
この条件は施設によって異なるため、入居の前には必ず確認する必要があります。

介護専用型

介護専用型での有料老人ホームでは介護認定を得ている方(要介護1~5)が対象となります。

介護専用型では、介護の重度が重くなった場合でもそのまま住み続けることが可能です。
現在、介護が必要な状態にあり、今後も長く同じ場所に暮らしたいという方に合った介護施設です。

混合型

混合型の有料老人ホームでは先ほどの「自立型」と「介護専用型」どちらも入居可能な施設です。
介護の重度が重くなった場合でも住み続けることが可能です。

一見、長い間同じ施設に住み続けられて良いのですが、混合型では自立している方と介護が必要な方が同じ環境で暮らすため、自立している方にとっては物足りなさを感じてしまう事もあるようです。

介護付き有料老人ホームの費用

ここでは、介護付き有料老人ホームの費用面を解説していきます。

費用には施設によって大きく異なる

介護付き有料老人ホームは民間運営の施設で、独自のサービスを自由な価格帯で提供しています。

そのため、設備を充実させて料金を高く設定することや、土地にお金がかかってしまうため料金が高くなってしまう事などが考えられます。

ご自身が不要と思っているサービスを提供されても費用が高くなってしまうだけです。
そのため、施設選びではご自身が本当に必要としているサービスが提供できているかを確認したうえで、不要なサービスがあるかという事も確認しておくことで、費用を抑えることができる場合があります。

入居一時金

入居一時金に関しても0円のプランから1億円近くかかるプランなど、大きなブレがあります。

入居一時金は施設の入居期間を考慮して決定される、前家賃の位置づけで行われています。
そのため、0円の施設に関しては月額の費用に上乗せされるため、入居後にかかる費用が高くなります

また、入居一時金にはクーリングオフが適用されるため、契約後90日以内に契約を解除した場合は入居一時金が全額返済されることになります。
その際、入居時に利用したサービスや食事代などは返済されません。

月額

有料老人ホームの月額費用は15~35万円あたりが相場とされています。
この金額には介護保険の負担額と自己負担額が含まれています。

介護保険で適応されるのは介護サービスに関する費用と施設の居住費になります。
その他の、水道光熱費や食事などは介護保険に適応されないため、自己負担になります。

介護付き有料老人ホームのメリットとデメリット

これまで見てきた介護付き有料老人ホームのメリットとデメリットを解説していきます。

介護付き有料老人ホームのメリット

まずは介護付き有料老人ホームのメリットの部分を見ていきましょう。

施設の数が多い、自分に合った場所を選べる

民間運営で行われている有料老人ホームでは施設数が多いため、利用者の健康状態やこれからどのような暮らしをしたいかという事を考慮した施設選びが可能です。

介護付き有料老人ホームでは入居者を増やしていくために様々な工夫がされており、施設によって雰囲気が違います。

運動施設やカラオケルームなどの娯楽が充実している施設や、レクリエーションに力を入れ入居者同士の交流を大切にしている施設など、様々です。

24時間介護士・看護師の常駐が決められているため安心

介護付き有料老人ホームでは24時間介護士が常駐しているため、利用者やその親族の方も安心した暮らしが提供されます。

また、中には看護師が24時間常駐している施設もあります。
利用者の身体の状態によっては、看護師が常駐している施設選びをすることでより安心した生活環境を得ることができます。

様々なイベントがあり、入居者が楽しめる場

介護付き有料老人ホームでは入居者が楽しめる場を作ることにも力を入れています。
老後は人間関係や社会との交流する機会が減ってしまいます。

交流の機会が減ると自己実現の場がなくなってしまい、自分が大切な存在であることを見失ってしまうのです。

そのため、日常的にレクリエーションを行い、他の人と触れ合うことで自己実現の場を作るのです。
生活の環境が整っていることは重要なことですが、「利用者が楽しく過ごせる場」という点は人生にとってとても大切です。

介護付き有料老人ホームのデメリット

多くのメリットがある介護付き有料老人ホームですが、その一方でデメリットも存在します。
ここでは介護付き有料老人ホームのデメリットを解説していきます。

入居費用が高額な場合がある

サービスや環境が充実している介護付き有料老人ホームですが、入居の初期費用が他の施設と比べて高額な場合があります。

費用を抑えるためにも、できるだけ利用したいサービスだけを整えている施設選びをすることが重要です。

例えば、歌うことが好きではない利用者にとってカラオケルームが設置されていたとしても利用しないため、無駄なコストになります。
このようなことに注意して、ご自身に合った施設を見つけることで、初期費用を改善できる場合があります。

自立している方には物足りなさを感じる場合もある

介護付き有料老人ホームの入居者の中でも、人によって身体の状態は様々で、活発に動ける方もいれば苦手な方もいます。

そのような方が同じ場で過ごすため、しっかり自立している方には物足りなさを感じてしまう方もいるようです。

特に混合型の介護付き有料老人ホームではこのような差が特に出てしまいます。

外部の介護サービスの利用ができない

介護付き有料老人ホームでは住宅型有料老人ホームと比べ、外部の介護サービスを使うことができません。

もしも容態が悪化して新しく利用したい介護サービスが増えた際にも、施設内の介護サービスしか利用することができません。

入居者に合った施設選びを

今回は有料老人ホームの中で「介護付き」の施設に関して解説していきました。
老人ホームでの生活は入居者の方にとって、人生の長い時間を過ごす場となります。

有料老人ホームは施設数が多いため、考える時間がかかってしまうと思われます。

この記事を参考にして、入居者により合った施設選びを行い、入居者の方と親族の方が楽しく安心した生活ができれば幸いです。

介護付き有料老人ホームはどんな施設?特徴と費用、サービス内容とは?

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