
今度、介護福祉士の資格を取ろうと思うんです。
働きながらでも大丈夫ですか?

大丈夫ですよ!
介護福祉士の資格は、働きながら勉強する方が多いんです。

よかったです!
じゃあ資格を取る方法を詳しく教えて下さい。

わかりました。
試験の詳細や、資格取得のメリットも説明しますね。
介護福祉士の資格は、介護福祉系で唯一の国家資格です。
資格の勉強をすると、介護の専門知識やスキルが身につきますよ。
介護業務だけでなく、他の介護スタッフのリーダーとして現場の統率なども行います。
介護福祉士の資格を取得すると、3つのメリットがあります。
- 就職や転職に有利になる
- 給与アップ
- 管理職や認定介護福祉士を目指せる
国家資格というと難しいイメージを持つ人もいるかもしれませんが、介護福祉士資格の合格率は70%程度です。
試験合格のポイントや、申し込み方法も紹介します。
試験は年1回の実施なので、しっかり準備してのぞみましょう。
介護未経験でも資格取得を目指せるので、参考にしてみてください。
介護福祉士とはどんな資格?
介護福祉士の資格とは、介護の専門的知識や技術があると認めるものです。
主に利用者の身体介助や、生活援助などの介護業務全般を行います。
介護福祉系唯一の国家資格で、更新の必要がない一生ものの資格です。
介護福祉士とヘルパーの仕事内容の違いは?
介護福祉士とヘルパーの仕事に大きな違いはありませんが、介護福祉士は現場のチームリーダーとしての仕事も加わります。
他の介護スタッフの指導や、利用者の家族にアドバイスなども行います。
仕事内容に大きな違いはありませんが、給与や待遇はよくなることが多いです。
資格手当のある事業所や、介護福祉士の正社員として転職するなど、働き方を変えるきっかけになります。
働く職場は?
介護福祉士の働く職場は、介護事業所や訪問介護などがあります。
介護業界は無資格OKの求人も多いですが、資格を持っていると選択の幅が広がりますよ。
- 有料老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保護施設
- グループホーム
- 介護療養型医療施設
- デイサービス
- 訪問介護 など
介護福祉士の資格を活かして、介護現場以外で働くこともできます。
例えば、介護福祉士養成校の教員や、初任者研修・実務者研修の講師などです。
介護福祉士の資格以外に、教員資格や、介護福祉士としての実務経験なども必要ですが、ひとつの働き方として考えてみてもいいかもしれません。
介護福祉士の資格を取るメリットは?
介護福祉士の資格を取るメリットは、大きく3つあります。
- 就職や転職で、正社員採用に有利
- 介護福祉士と資格なしの介護職の給与差は約5万円
- 管理職や認定介護福祉士を目指せる
介護未経験の人と、すでに介護職で働いている人のどちらにもメリットがあります。
ここからは、3つのメリットを詳しく解説します。
就職や転職で、正社員採用に有利
就職や転職を考える際、今よりも良い待遇を望む人が多いでしょう。
介護士の求人の中でも高給与・好待遇の求人の中には、介護福祉士の資格を持っていないと応募できないものが多くあります。
資格があると、常勤や正社員としての採用の可能性も高くなります。
下の図は求人サイト3社の「介護福祉士」と「ヘルパー・無資格」の求人数を比較したものです。
3社とも介護福祉士の求人数が多くなっています。
資格不問の求人であっても、介護福祉士の資格があれば無資格より好待遇で雇用してもらえることもあります。
就職や転職を考えるときの自分の武器として、持っておいて損はない資格です。
介護福祉士と資格なしの介護職の給与差は約5万円
介護福祉士の資格を持っていると、給与がアップする可能性が高くなります。
介護系資格を持っていない場合:月給約26万円
参考:厚生労働省
平成29年度の厚生労働省のデータを見てみると、約5万円アップしています。
実務者研修を終了している人と比べても約2万円、介護職員初任者研修と比べると約3万円の差があります。
管理職や認定介護福祉士を目指せる
介護福祉士の資格を持っていると、管理職の仕事を任されることがあります。
事業所のチームリーダーや、訪問介護のサービス提供責任者などです。
サービス提供責任者は、初任者研修と実務経験3年でもなることができますが、実際には応募できる求人はほとんどありません。
サービス提供責任者として働きたいなら、介護福祉士か実務者研修の資格取得がオススメです。
「認定介護福祉士」取得でさらに上のキャリアアップも
認定介護福祉士は、2015年に新設されたばかりの、介護福祉士の上位資格です。
まだ登録者数は少なく、今後の待遇アップが期待されています。
認定介護福祉士の取得には、介護福祉士資格と、実務経験が5年以上必要です。
介護福祉士の資格を取得した後、介護のキャリアの選択のひとつとして考えてみてもいいかもしれません。
3つのルート別!介護福祉士の資格の取り方
介護福祉士の資格取得を目指すには、3つのルートがあります。
- 実務経験ルート
- 福祉系高校・福祉系特例高校卒ルート
- 介護福祉士養成施設卒ルート
それぞれの特徴を説明します。
自分にあうルートで、介護福祉士の資格取得を目指しましょう。
1.実務経験ルート
実務経験ルートとは、介護の現場で働きながら介護福祉士の資格取得を目指す方法です。
ここでの実務経験は、特別養護老人ホームなどの社会福祉施設や介護サービスを行っている事業所、病院や診療所の介護職員としての勤務経験を指します。
介護事務員や、看護師など、介護サービスを行う事業所で働いていても受験資格とならない職種があるので注意してください。
介護福祉士の資格試験受験者は、毎年実務経験ルートが90%程度です。
介護職として働きながら勉強できるので、知識の吸収がスムーズですよ。
介護職未経験にもオススメのルートです。
2016年から実務経験ルートで介護福祉士の資格試験を受験する場合、「実務者研修」の終了が必要になりました。
介護福祉士の資格試験の前年の12月までに、実務者研修を終えていなければなりません。
実務経験ルートで受験予定の人は、実務者研修も忘れずに受講終了しておきましょう。
2.福祉系高校・福祉系特例高校卒ルート
福祉系高校・福祉系特例高等学校卒ルートとは、福祉系高校、または福祉系特例高等学校を卒業した後に介護福祉士の資格試験を受験するルートです。
高校の入学年度で受験資格が異なります。
・平成21年度以降に入学
卒業後、筆記試験のみの合格で、介護福祉士の資格取得が可能
・平成20年度以前に入学
卒業後に、筆記試験と実技試験の両方の合格が必要
※「介護技術講習」を受講していると、実技試験が免除
3.介護福祉士養成施設卒ルート
介護福祉士養成施設卒ルートは、平成29年度に受験資格となったルートです。
介護福祉士養成施設とは、厚生労働大臣指定の学校を指します。
四年制大学や短期大学、専門学校などの種類がありますが、いずれも入学資格は高等学校卒業以上か、それに準する者です。
このルートでは、卒業年度によって、介護福祉士になれる条件が異なります。
・平成33年度末までに卒業
卒業後5年の間は国家試験を受験、または合格しなくても介護福祉士になれる
※この5年の間に国家試験に合格するか、5年続けて介護等の業務で働くことで、5年後も介護福祉士の登録を継続できる。
・平成34年度以降に卒業
介護福祉士になるには、国家試験の合格が必要
介護福祉士の資格試験の内容は?合格率はどのくらい?
ここからは、介護福祉士の資格試験の内容を詳しく説明します。
資格試験は毎年1回の実施です。
試験対策や、受験申し込みは計画的に行いましょう。
筆記試験 | |
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試験時期 | 毎年1月実施(年1回) |
問題形式 | マークシート形式、配点は1問1点 |
試験科目 | 【11科目群】 人間の尊厳と自立 介護の基本 人間関係とコミュニケーション コミュニケーション技術 社会の理解 生活支援技術 介護過程 発達と老化の理解 認知症の理解 障害の理解 こころとからだのしくみ 医療的ケア 総合問題 |
合格基準 | 問題の総得点の60%程度+指定11科目群全てで得点 |
合格率 | 70%超(2019年1月実施) |
受験料 | 15,300円 |
試験会場 | 全国34ヶ所で実施中 |
実技試験 | |
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試験内容 | 介護等に関する専門技能 |
実施場所 | 東京都、大阪府 |
介護福祉士の資格試験の申し込み方法は以下の手順です。
- 社会福祉振興・試験センターから、受験の手引きを取り寄せる(インターネットまたは郵便はがき)
- 8月上旬から9月上旬に、必要書類と合わせて輸送する
- 12月ごろ受験票が届く
資料請求は余裕をもって早めにしておきましょう。
試験は申込期間が決まっているので、注意が必要です。
詳しくは受験の手引きに同封されているので、まずは資料請求してみてください。
合格率は70%程度と高めです。
受験料がかかりますし、一発合格を目指しましょう!
筆記試験合格には過去問を繰り返し解くことが大切です。
過去の試験問題はこちらからダウンロードできます↓
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
実技試験はテストの流れを想定した練習を行って、対策しましょう。
当日は動きやすい服装がオススメです。
【注意】介護福祉士になるには試験合格後に登録申請が必要
介護福祉士の資格試験に合格した後、登録申請を行うと介護福祉士として働くことが出来ます。
登録の手順は、以下のようになっています。
- 必要書類を試験センターに輸送
- 試験センターでの審査、登録簿への登録
- 登録証の交付
はやく働きたい人は、試験合格通知表が届き次第、手続きをしましょう。
介護福祉士の登録には登録免許税が、9,000円かかります。
詳しくは、社会福祉振興・試験センターのHPを参考にしてみて下さい。
まとめ
介護福祉士の資格試験の詳細や難易度、資格を取るメリットについて紹介しました。
実務経験ルートで資格取得を目指す場合、3年以上の実務経験と実務者研修の終了が必要です。
介護福祉士の資格取得には時間と勉強が必要ですが、資格取得後のメリットを考えて、受験を検討してみて下さい。
知識がつくことで、さらに満足のいく介護サービスを提供できるようになりますよ。
国家資格を持っていることで、自信にもつながります。
以前は複数あった介護職のキャリアが一本化されて、介護福祉士を目指す道もわかりやすくなりました。
介護福祉士の上位資格の認定介護士は今は登録者が少ないですが、介護人材の専門性アップに期待されている職業です。
介護福祉士を取得した後は、新たなキャリアの道として、候補にしてもいいかもしれません。