高齢者に多いめまいやふらつき…原因や対処法は?

高齢者に多い「めまい」「ふらつき」
突然のめまいは転倒事故のリスクや生命にかかわることも…。

めまいといっても軽視せず正確な原因を知り、予防することが大切です。

今回は、めまいやふらつきを引き起こす原因予防法対処法について解説します。

高齢者や天敵!? めまいやふらつきの特徴

高齢者に多い「めまい」「ふらつき」ですが、単なる耳の病気と捉えてはいませんか?

めまいの症状によっては、時間が経てば治るため、放っておく人も多いです。

しかし、めまいの背景には、大きな病気が隠れているかもしれません。

めまいは、耳の病気から起こるだけでなく、脳の病気や血圧の異常からも起こります。

だから、命に関わる重大な病気の症状として、めまいが生じているのであれば、早めの対策が必要なのです。

特に、高齢者はめまいによるふらつきで転倒し、大けがに至る恐れもあります。

「なんとなく体調が悪いだけ」とめまいを放っておいては危険です。

高齢者が体調を崩す前に、めまいが起こる原因を把握して、適切な対策を講じましょう。

本当は怖い!? 高齢者のめまいの種類・症状は?

高齢者のめまいには、単なる不定愁訴ではなく、大きな病気が潜んでいる可能性があります。

病的なめまいを見極めるためには、種類や症状を理解しておきましょう。

めまいは大きく3つの種類に分かれます。
種類別に、起こる症状を紹介しましょう。

回転性めまい

回転性めまいとは、ぐるぐる回るようなめまいです。

回転性めまいを感じる時は、身体の平衡感覚を司る「内耳」の異常が考えられます。
つまり、耳に何か病気が潜んでいる可能性があります。

浮動性めまい

浮遊性めまいとは、ふわふわ・ゆらゆらするようなめまいです。

回転性めまいの回復時や脳幹小脳の異常、高血圧などで起こります。
脳の血流障害や高血圧が原因で起こるため、高齢者に比較的多いめまいです。

その他にも、暑さによる脱水でも、浮遊性めまいを感じます。

失神性めまい

失神性めまいとは、目の前が真っ暗になり、場合によっては意識失うめまいです。

意識を失わなくても、立ちくらみを感じれば、失神性めまいの可能性があります。

血圧の変動や自律神経の乱れが主な原因です。
起立性低血圧が代表的な病気で、高齢者がベッドから起き上がった時に意識が遠のくようなめまいを感じます。

めまいを感じたら?3つの原因から探ろう


めまいが起こる原因は、大きく3つに分かれます。

めまいが起こる3つの種類と合わせて覚えておきましょう。

1.耳が原因

耳の病気によってめまいが起こります。
めまいの種類では、回転性めまいが起こりやすいです。

耳には、平衡感覚を司る器官「内耳」があるため、めまいが起こりやすくなります。

そこで、めまいが起こる耳の病気の代表例を4つ紹介しましょう。

良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症とは、頭を急に動かした時や一定の頭位を取った時に、めまいが現れる病気です。

視界が回る、揺れるなどの強いめまいが特徴で、それに伴う吐き気や嘔吐の症状もあります。

内耳には、平衡感覚を司る「前庭」「三半規管」と聴覚を司る「蝸牛」で構成されていますが、良性発作性頭位めまい症では、蝸牛に障害は出ません。

そのため、難聴や耳鳴りなどの症状はなく、脳の障害で起こる言語障害や頭痛、麻痺などの症状もありません。

自然に良くなっていきますが、症状が悪化する場合には治療が必要です。

運動不足長時間の側臥位骨粗鬆症が誘因になって起こる場合があります。

前庭神経炎

前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)とは、耳から脳へ情報を届ける前庭神経に、何らかの異常が生じた状態です。

強い回転性めまいが特徴で、吐き気や嘔吐の症状もあります。

原因は不明ですが、発症前に風邪を引く人が多いため、ウイルスが原因ではないかと考えられています。

めまい以外に、意識障害や麻痺など脳卒中のような症状はなく、命に関わるような病気でありません。

メニエール病

はっきりとした原因は解明されていませんが、メニエール病は、内耳がむくむことで起こる病気です。

ストレスが関係すると考えられていて、めまいだけでなく難聴や耳鳴りの症状が伴います。

症状を的確に伝えるのが難しい高齢者の場合は、耳の不快感を「耳閉感」(耳が塞がったように感じること)として訴えることがあります。

様子をよく観察して、症状を的確に捉えましょう。

突発性難聴

突発性難聴とは、原因ははっきりしないものの、急に耳が聞こえなくなる病気です。

ウイルスや循環障害によって起こると考えられていますが、原因はわかっていません。

完治する場合もあれば、障害が残る場合もあります。
発症の前後で、めまいや耳鳴り、吐き気などの症状が現れます。

徐々に耳が聞こえなくなるのではなく、突発的に難聴が起こるため、その時の状況を覚えているのが特徴です。

基本的に再発はしないので、繰り返すようであれば突発性難聴ではなく、メニエール病など他の疾患の可能性があります。

2.脳が原因

脳の病気では、危険なサインを知らせるために、めまいの症状が起こります。

めまいの種類では、浮遊性めまいが起こりやすいです。

脳血管障害

脳血管障害とは、「脳卒中」のことで、脳の血管が詰まる「脳梗塞」と脳の血管が破れる「脳出血、くも膜下出血」です。

脳血管障害に共通する主な症状は、頭痛や吐き気ですが、めまいが起こる場合もあります。
重症であれば、意識障害やけいれんが起こります。

最初のうちは、めまいなどの症状が治ってしまうため(一過性脳虚血発作)、危険なサインを見逃してはいけません。

顔や身体の半分に麻痺などの症状があれば、脳血管障害の可能性が高くなるため、注意が必要です。

脳腫瘍

脳腫瘍によっても、めまいが起こります。
脳腫瘍とは、脳にできる腫瘍の総称です。

その場所に生じた原発性脳腫瘍やがんの転移などによる転移性脳腫瘍に分かれます。

脳血管障害のように突然起こるのではなく、ゆっくりと進行するのが特徴です。

初期の頃は、けいれん発作が起こる場合がありますが、曖昧な症状であることがほとんどです。

脳腫瘍が大きくなるにつれて、めまいや意識障害などの重度な症状が現れます。

血圧や自律神経の乱れが原因

変動する血圧もめまいの原因です。

血圧が低くても、高くてもめまいを感じるため、注意しましょう。
めまいの種類は、失神性めまいが多いため、転倒や大けがには注意が必要です。

その他にも、ストレスやホルモンバランスの変化によって、自律神経が乱れ、めまいが起こる場合があります。

起立性低血圧

起立性低血圧とは、急に立ち上がる時や長時間立ち続けている時に、めまいやふらつきを感じる病気です。

急激に血圧が下がるため、高齢者の転倒には要注意です。

ベッドから起き上がる時に、起立性低血圧を起こしやすいため、ベッド柵や床灯台に頭をぶつけないよう注意しましょう。

高血圧

高血圧とは、必要以上に血圧が高い状態で、動脈硬化や心臓病、脳卒中につながる危険な病気です。

初期の頃は、ほとんど自覚症状がありません。
めまいなどの症状が現れる時には、その他の合併症を併発している可能性があります。

貧血

貧血とは、何らかの原因で血液中の赤血球の容量が減少した状態です。

赤血球は、酸素を運ぶ役割があるため、貧血の状態では、十分な酸素を身体全体に運べません。

そのため、めまいや倦怠感を感じます。
特に、低栄養状態の高齢者は、貧血を併発する場合があります。

自律神経失調症

自律神経失調症とは、ストレスや精神症状が誘因となり、自律神経の乱れが生じる病気です。

めまいだけでなく、動悸、発汗、腹痛、吐き気などの身体症状も現れます。

症状の現れ方は、同時に複数の症状が現れる人もいれば、時間の経過とともに症状が変わる人もいて、人それぞれです。

更年期障害

更年期障害とは、閉経前後の5年間に起こる多くの不快な症状のことです。

女性ホルモンのバランスが乱れることによって、めまいやほてり、発汗などの症状が起こります。

閉経前後の女性だけでなく男性にも更年期障害はあります。
時間の経過とともに自然に改善するのが特徴ですが、症状がひどい時には治療が必要です。

吐き気があるめまいは危険!?注意すべきめまいとは


一時的なめまいで、軽度な症状あれば、放っておいてしまう人も多いのではありませんか。

しかし、脳血管障害の前兆としてめまいを感じる可能性があります。

特に、高齢者は、大きな病気が潜んでいる可能性が高いため、めまいを感じたら早めに病院を受診しましょう。

その他にも、めまいと同時に次のような症状が現れていたら注意が必要です。

  • 呂律が回らない
  • 喋りにくい
  • ものが二重に見える
  • 手や足が動かしにくい
  • 感覚がおかしい

上記のような症状が現れていたら、脳血管障害の可能性があります。
早急に治療を開始しなければ、重度の後遺症が残るかもしれません。

重度の症状が現れる前に、軽いめまいや頭痛、吐き気などの症状があれば、早めに専門家を受診しましょう。

急なめまいが起こったら…対処方法は?

急なめまいが起きた場合、対処方法を知っていれば、めまいによる転倒など二次被害を最小限に抑えられます。

高齢者ができることと介護者ができることの2つに分けて対処方法を紹介しましょう。

1.高齢者ができるめまいの対処法

  • 楽な体勢で休む
  • 無理に移動しない、その場でしゃがむ
  • 光の刺激を最小限にする(目を閉じるなど)
  • めまい時に使用する頓服薬があれば、服用する

2.介護者ができるめまいの対処法

  • ゆっくり休ませる、できれば血圧測定などのバイタルサインチェックを看護職にお願いする
  • 安全を確保する
  • 嘔吐する場合もあるため、窒息防止のために横向きにする。ビニール袋を用意する
  • 無理に移動させない
  • 症状を看護職に報告する

めまいが起きたら、無理に動かずに休むことが重要です。

なぜなら、脳血管障害や血圧の変動によるめまいであれば、病気を進行させてしまう可能性があるためです。

転倒による二次被害を防ぐためにも、めまいの症状が落ち着くまでゆっくり休みましょう。

高齢者のめまいやふらつきを防ぐ!予防法3選

高齢者のめまいを防ぐためには、原因を把握する必要があります。

病気によるめまいであれば、病状のコントロールが必要ですし、ストレスによるめまいであれば、緊張状態をほぐしてあげなければいけません。

そこで、一般的なめまいやふらつきの予防法4つ紹介します。
めまいによる転倒を防ぐためにも、日々の介護に活かしましょう。

1.適度な運動

適度な運動は、ストレス発散に効果的です。
また、運動習慣があれば、急激な血圧変動も起こりにくくなります。

脳血管障害によるめまいでなければ、積極的に運動を取り入れてめまいを予防しましょう。

2.栄養バランスのとれた食事

全身の血流が良くなければ、酸素をうまく運べず、酸欠状態になり、めまいが起こります。

身体が酸欠状態にならないためには、バランスの良い食事を摂取することが重要です。

普段から炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素に加えて、ビタミンやミネラルを豊富に含む食品の摂取を心がけましょう。

3.休息・休養

ストレス疲労が蓄積すれば、めまいが起こりやすいですので、休息・休養を心がけましょう。

生活習慣が乱れれば、自律神経も乱れます。
夜間不眠であったり、活動性が高い高齢者の場合は、めまいが起こる前に、休息を促しましょう。

4.定期的な受診で病気をコントロール

めまいの背景に病気が潜んでいる場合には、受診して症状をコントロールすることが重要です。

高齢者の場合、ストレスや疲労だけでなく、病気によってめまいが現れる場合が多いです。

病気の症状をコントロールして、めまいを軽減・予防しましょう。

めまいの原因を知って、高齢者を危険から守ろう

高齢者のめまいは、ストレスや疲労だけでなく、病気による症状かもしれません。

めまいが治っても、脳血管障害などの予兆の可能性もありますので、早めに専門家に相談しましょう。

めまいを悪化させないためにも、運動や食事などの日々の生活習慣が重要です。

適切な予防策を講じて、高齢者を危険から守りましょう。
参考:社会福祉法人 恩賜財団済生会 良性発作性頭位めまい症

高齢者に多いめまいやふらつき…原因や対処法は?

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