在宅で介護を受けている高齢者が、日帰りで専門施設に通って短時間の介護を受けられる【デイサービス】。
食事や入浴だけでなく、施設によって多様なレクリエーションを行っています。
利用者のリフレッシュにつながるうえに、家族の負担を軽減できるのが魅力です。
この記事ではデイサービスの1日の具体的な流れや、料金の目安、混同しがちなデイケアとの違いについてご紹介します。
デイサービスとは
デイサービスとは在宅で介護を受けている高齢者が通い専門施設に通い、日帰りで短時間介護を依頼できるサービスのこと。
送迎付きで食事介助、入浴介助、各種レクリエーションを受けることができます。
介護を受けている高齢者が身体を動かし、仲間と交流する場を提供することで、孤独を解消したりストレスを軽減したりすることが主な目的です。
毎日介護を行っている家族の負担を軽減する役割も果たします。
デイサービスの対象者
デイサービスの対象者は要介護1~5の要介護認定を受けている65歳以上の高齢者です。
デイサービスはどんな人にオススメ?
デイサービスは食事や入浴、レクリエーションなど、生活に根差した介護がメイン。
そのため住み慣れた自宅での生活を続けながらも、介護を受ける側の高齢者も介護する側の家族も時々気分転換をしたい、という場合にオススメのサービスです。
またデイサービスでは同世代の他の利用と交流する機会もあるため「会話を楽しみたい」という方にもオススメです。
入浴介助に自信がない、という場合も、デイサービスの利用がオススメ。
介護のプロに安心して入浴介助を任せることができます。
【例】デイサービスの1日の流れ
施設によってデイサービスでの1日の流れは異なりますが、ここでは一例をご紹介します。
9:00 | 送迎車が利用者の自宅までお迎え |
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10:00 | 折り紙や塗り絵など、個別レクリエーション |
12:00 | 昼食 |
13:00 | 簡単なストレッチやゲームなど、集団レクリエーション |
14:00 | 介護職による入浴介助 (希望者) |
15:00 | おやつ |
16:00 | 送迎車が自宅まで送迎 |
気になるデイサービスの料金は?
いざデイサービスを利用しよう!と考えたとき、気になるのは「料金がどのくらいかかるのか」ということ。
デイサービスは介護保険の対象のため、利用者の負担は基本的には1割負担ですが、収入が160万以上のひとは2割負担になります。
デイサービスの利用料金は、施設の規模、要介護度、利用時間により料金が定められていて、食事代、おやつ代、送迎交通費は別料金がかかります。
また利用料金は月間平均利用人数によって定められた規模により異なるため、利用を検討する際にはその施設のホームページ、パンフレット等をきちんと確認するようにしましょう。
利用負担額の目安
一例として、通常規模(1ヶ月あたりの利用延人数がが301人以上750人以内)のデイサービス施設を7時間~8時間利用した場合の利用負担額の目安をご紹介します。
要介護度 | 利用者負担(1割) (1回につき) |
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要介護度1 | 645円 |
要介護度2 | 761円 |
要介護度3 | 883円 |
要介護度4 | 1,003円 |
要介護度5 | 1,124円 |
参照:厚生労働省『どんなサービスがあるの? – 通所介護(デイサービス)』
各種追加料金の例もご紹介します。
提供の有無は事業所により異なるため、確認が必要です。
入浴介助 | 50円/日 |
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個別機能訓練(Ⅰ) | 42円/日 |
個別機能訓練(Ⅱ) | 50円/日 |
若年性認知症利用者受入 | 60円/日 |
栄養改善サービス | 150円/回 |
口腔昨日向上 | 150円/回 |
デイサービスと混同しやすいデイケアとは
多様な介護サービスの中でも、その名称からとくに混同しやすい「デイサービス」と「デイケア」。
名称は似ていてもそのサービス内容は異なります。
ここではデイケアとはどんなサービスか、デイサービスとの違い、デイケアの料金について解説します。
デイケアとは
デイケアとは利用者の日常生活の回復、身体機能の維持や回復、認知機能の改善を目的にした日帰りサービスです。
そのためデイケアの事業所にはリハビリに必要な器具が整備されていて、理学療法士によって専門的なリハビリを受けることができます。
オプションとして送迎や食事介助、入浴介助なども利用することができます。
デイサービスとの違い
デイケアでは「主治医(医師)の指示書」にもとづいて、理学療法士などが専門的なリハビリ計画を立ててリハビリが実施されるという点がデイサービスとのもっとも大きな違いです。
デイケアの目的はあくまで「心身機能の維持、向上」であるため、デイサービスのように「入浴したい」「交流がしたい」という理由だけでは利用できません。
デイケアの料金
デイケアの料金もデイサービスと同じく、施設の規模、要介護度、利用時間により異なります。
一例として、通常規模(1ヶ月あたりの利用延人数が750人以内)のデイサービス施設を7時間~8時間利用した場合の利用負担額の目安をご紹介します。
要介護度 | 利用者負担(1割) (1回につき) |
---|---|
要介護1 | 667円 |
要介護2 | 797円 |
要介護3 | 924円 |
要介護4 | 1,076円 |
要介護5 | 1,225円 |
参照:厚生労働省『どんなサービスがあるの? – 通所リハビリテーション(デイケア)』
デイケアの料金はデイサービスに比べて利用時間が細分化され、基本利用料金が高めの設定であることが多くなっています。
デイケアからデイサービスの移行も可能
デイケアによるリハビリで症状の回復が見られ、専門的なリハビリの必要性が薄くなってきた場合は「デイサービス」に以降することも可能です。
名前に惑わされず、利用者と家族にとって必要なサービスを選択することが大切
最近のデイサービスは、機能訓練に特化した事業所やリハビリの要素を取り込んだ体操を行う事業所などが増えてきています。
こういった事業所では、デイケアよりも個人に応じたリハビリを受けられる場合もあります。
反対にリラクゼーションに重きを置くデイサービスもあり、利用者の目的に合わせて事業所それぞれが特色を打ち出すようになってきています。
日帰り介護サービスの利用を検討する際には、「デイサービス」「デイケア」という分類だけで判断せず、自分たちの目で確かめて、利用者と家族が本当に必要なサービスを選択するようにしましょう。