「実務者研修」で介護職のキャリアアップ!難しいの?費用や試験内容は?

介護職員の「実務者研修」は、初任者研修からさらに高いスキルを持っていることをあらわす資格です。

また、介護福祉士の受験には実務者研修の修了が義務付けられています。
国家資格である介護福祉士の登竜門ともいえますね。

「実務者研修を取るメリットは?」
「実務者研修はいくらかかるの?」

この記事では、そんな実務者研修に関する疑問を解決していきます!

実務者研修とはどんな資格?メリットはある?

実務者研修とは、かつてのヘルパー1級+介護職員基礎研修に相当する資格です。
介護の基礎に加え、より質の高い介護を提供するための知識を学び、修得したことをあらわします。

介護職員が目標を持って働けるよう、2012年度に資格制度の見直しが行われ、そのときに生まれた資格です。
これにより、介護職員初任者研修⇒介護福祉士実務者研修⇒介護福祉士とキャリアパスを構築しやすくなりました。

とることで具体的にどんなメリットがあるのかを説明していきます。

実務者研修を取得するべき4つの理由

実務者研修を取得すべき理由は4つあります。
詳しく見ていきましょう。

1.サービス責任者になれる

実務者研修修了者は、サービス責任者(サ責)になれます。

サービス責任者とは、訪問介護事業所で訪問介護サービスの実施計画を作り、介護職員の指導や管理、ケアマネ・看護師・訪問介護利用者・その家族との連絡や調整をするコーディネーターの役割です。

立てた介護計画が問題なく進み、利用者にとってよりよい介護になるように評価・再立案したりするやりがいのある仕事です。

サ責は介護サービス利用者の数が40人又はその端数を増すごとに1人以上の配置が義務付けられています。
人員不足も多いため、サ責になれる実務者研修の取得は転職に有利にはたらきます。

2.「たん吸引」や「経管栄養」などの医療ケアができる


実務者研修では

  • たん吸引
  • 経管栄養
  • 救急蘇生

などの医療行為を学びます。

喀痰吸引等研修(第2号研修)の基本研修が免除され、病院・施設などでの実地研修のみで、医師の指示や看護師と協力のもと、たん吸引や経管栄養を実施できるようになります。

多くの介護施設では、日中は看護師いても、夜間は不在となることがほとんどです。

看護師不在でも医療ケアの一部が行えるスタッフは、施設にとってとても重要な存在になります。

3.働ける場所が増えて、転職・復職がしやすくなる

実務者研修では、初任者研修で学ぶ基礎的な介護の知識・技術以外に医療ケア、コミュニケーション技術や認知症ケアについても学べます。
そのため医療ケアの必要な方や認知症の方など、幅広い利用者に対応できます。

サービス提供責任者の需要も高いので、認知症グループホーム、訪問介護事業所など働ける場所が増えて転職や復職にも有利ですよ。

また、実務者研修取得という条件がある求人などにも応募できるようになります。
給料面でも優遇されることがあるので問い合わせてみましょう。

4.介護福祉士を目指すなら必須

国家資格を有し、福祉現場のエキスパートである介護福祉士になるには、実務者研修が必須となりました。

以前は、介護に関わる実務経験が3年以上あれば受験資格がありましたが、介護福祉士の資質向上のため、2007年社会福祉士及び介護福祉士法が改正。
制度の適用は、2011年となる予定でしたが、たびたび延期となり、2016年からようやくスタートしました。

制度適用後は、介護福祉士専門学校などで介護福祉士資格を得る場合を除き、3年以上の実務経験に6ヶ月以上の実務者研修の受講、終了が条件となっています。

また、実務者研修を修了していると、介護福祉士の実技試験が免除されますよ。
介護福祉士を受験する年の、前年12月までに実務者研修を終えていないと受験資格がもらえません。
実務者研修を受ける際には、修了の時期も考慮して調整しましょう。

「初任者研修」との違いと共通点

次は、介護の基礎を学ぶ初任者研修と、幅広い利用者に対応する能力を求められる実務者研修についての違いと共通点に焦点を当てて紹介します。

【違い1】初任者研修はなくても介護福祉士の受験資格を得られる

介護の資格を得る際には、初任者研修と実務者研修のどちらから受講しても良いことになっています。
先に実務者研修を受講して修了すれば、初任者研修は受講する必要はありません。

しかし、初任者研修からのキャリアアップは実務者研修です。
実務者研修からのキャリアアップは介護福祉士になります。

そのため介護福祉士の受験資格を得るには、実務者研修を終了していることが必須条件です。
初任者研修だけの受講では介護福祉士の受験資格は得られません。

【違い2】初任者研修はサービス責任者になるために3年以上実務経験が必要

サービス責任者になるには、基本的には実務者研修か介護福祉士のどちらかの資格が必要です。
初任者研修やホームヘルパー2級取得者でも、サービス責任者になることは可能ですが、介護報酬から1割減額になってしまいます。

サービス責任者を配置しなければならない訪問介護事業所において、実務者研修取得者の方がありがたいという考え方もあるようです。
また、今後廃止となる見込みのためサービス責任者を目指す方は取得しておきましょう!

【違い3】初任者研修は修了試験がある

初任者研修は修了試験がありますが、実務者試験には試験の義務がないため、スクールによっては行われません。

試験を行うスクールもありますが、あくまで理解を確認する程度ですので、試験に受からなくても追試などスクールからのフォローがあるはずです。

心配しなくても大丈夫です。

【共通点1】どちらも国家資格ではない

介護福祉士は国家資格ですが、初任者研修、実務者研修のどちらも国家資格ではありません。

実務者研修は、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校、あるいは厚生労働大臣の指定した養成施設において介護福祉士として必要な知識及び技能を修得した資格。

初任者研修は厚生労働省認定の修了試験のある公的資格と定められています。

【共通点2】受講科目のうち9科目が共通

実務研修は、受講しなければならない全20科目のなかで、9科目が初任者研修と共通の内容となります。

先に初任者研修を取得している方は共通の科目が免除となるため、労力や金銭面など実務研修を受講する負担が少なくなります。

実務者研修の受講科目や、取得にかかる費用と期間


実務者研修は、働きながら取得を目指せる資格です。
数年かけて少しずつ受講する方法も選択できます。

働きながら自宅での学習を選択される方が多い実務者研修ですが、受講科目の中の介護過程Ⅲと医療ケアは実技が必須となっているため、通信制であっても6~10日ほど通学が必要となります。

そのため、無理なく通える距離や受講できる時間を考慮してスクールを選びましょう。

働きながら資格取得を目指す方は、最短の通学日数で取得できる三幸福祉カレッジなどが、よく選ばれています。
自宅学習と、通学講習を組み合わせる学習方法を取り入れており、自宅での学習方法は、テキストとWebから選べるため、働きながらでも勉強しやすいですよ。

それでは、実際に実務者研修を取得する方法を、介護系資格をすでに持っている方と、まだ持っていない方にわけて説明していきます。

初任者研修をもっている場合

引用元:厚生労働省<実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について>

先述しましたが、初任者研修を取得していると共通する受講科目である9項目が免除となります。

実務者研修を取得するには、20科目を450時間、期間は6ヶ月以上必要となりますが、初任者研修の免除があると9科目の130時間が免除となり、受講時間は320時間
最短で1~4ヶ月での取得を目指せます!

初任者研修を取得していると、受講科目が減るため減額となり、5~10万ほどで取得できます。

一部科目が免除されるそのほかの資格

1.かつてのホームヘルパー1・2・3級

  • 1級は通学が必要な2科目以外の355時間免除され95時間の受講となる
  • 2級は初任者研修とほぼ同じで8科目130時間免除され320時間の受講となる
  • 3級は3科目30時間免除され420時間の受講となる

2.介護職員基礎研修の修了者は、医療ケア以外は免除とるため400時間免除され、50時間の受講となる

3.社会福祉協議会や認知症関連の研修を受けた場合も一部科目が免除される場合がある

参考:厚生労働省<実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について>

介護系資格をもっていない場合

介護系の資格を取得していない場合は、3年の実務経験に加え、20科目の受講科目を450時間、6ヶ月以上かけて受講する必要があります。

大体の費用は、10~25万と幅があります。

失業保険を受給している方は、教育訓練給付制度を利用して学費の2割を支給してもらえることがあります。
ハローワークに受給資格の有無を問い合わせてみましょう。

また、特待生制度を取り入れているスクールもあるので、調べてみてください。

介護系の資格がない方でも目指せる実務者研修ですが、介護資格保持者と比べて受講科目が免除できず、受講修了までに時間を要してしまいます。
受講する科目数が多いため、十分な学習時間の確保が必要となります。

さらに、医療科目などもあるため介護に予備知識がないと、聞きなれない言葉が多く難しいと感じるかもしれません。

しかし、実務者研修は初任者研修との共通項目でもある介護の基礎から学べます。
実務者研修を受講するのに、とくに条件や試験はありません。

早く介護の資格を取得したい方は、初任者研修と並行して受講できるスクールもあるので相談しましょう。

実務者研修は介護士としての可能性が広げる資格

介護系の資格がない方には時間の拘束が長く、十分な勉強時間の確保が必要となる実務者研修ですが、介護の基礎から学べ、幅広く介護のプロとして働くことができる魅力的な資格です。

介護の資格を持っている方は、受講時間の短縮や金銭面での免除があり、働きながらでも取得しやすくなっています。

実務者研修を取得すると、役職につくことができるようになり、認知症ケアや医療ケアを学べるので、働ける場が広がります。
ともに働く介護施設職員、利用者の方やその家族にとっても、より心強い存在となれるでしょう。

また、実務経験をふり返り理論づけを行うことで、日々の介護をより一層深めることができます。

さらに、実務者研修を取得すると介護福祉士の受験資格を得ることもできますよ!
ぜひ介護福祉士を目指して実務者研修を取得しておきましょう。

「実務者研修」で介護職のキャリアアップ!難しいの?費用や試験内容は?

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